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人文社会学部心理教育学科ESD演習(スタディツアー)の報告


ESD演習(スタディツアー)では、他者との共同生活を通して、他者性や協働性、異文化理解について考え、持続可能な開発とは何かを改めて捉え直し、自らのあり方を考えることが目的です。参加学生はESDに関する既修の授業で、持続可能な開発とは何か、何をすべきかを考え、実践することに挑戦してきました。その経験を活かし、ESD演習では国内とは異なる諸状況下において、自らの暮らしや生き方をふり返りながら、持続可能な開発について改めて考えます。
2023年度のツアー先はフィリピンのレイテ島です。本学の協定校であるVSU(Visayas State University)の教員養成学部(VSU Tolosa Department of Teacher Education)に協力をお願いし、2月27日から3月8日にかけて計11日間のプログラムが実施されました。参加したのは、人文社会学部心理教育学科4年生1名、3年生2名の計3名で、心理教育学科の曽我幸代准教授が引率しました。参加者は、現地でプレゼン予定の「日本の教育制度」について準備をするため、また英語のブラッシュアップのために事前に集中レッスンを受けました(協力:LILOT東山校)。
ツアープログラムの日程は、下表の通りです。
Day Place Activities
1 Move to Tacloban in Philippines from Nagoya
2 VSU 10:00 Arrival at VSU Tolosa & Courtesy Call with the City Mayor
and VSU Tolosa Chanceller

12:00 Lunch
13:00 Welcome Program (Message and Cultural Presentations)

Evening
Wrap up
3 VSU 9:00 Lecture 1 by VSU
Brief Overview of Philippines History and Value System

12:00 Lunch
13:00 Courtesy Call with the OIC President
(Move to Baybay Campus)

Evening
Wrap up
4 VSU 9:00 Lecture 2 by VSU
Learning about the Philippines Educational System

10:30 Lecture 3 by NCU
Sharing Insights about the Japanese Educational System

12:00 Lunch
13:00 Fieldwork: Visit Local Schools and Interview Teachers and
Students regarding Disaster Preparedness and Adaptation

Evening
Wrap up
5 Around Leyte Educational Trip
6 Around Leyte Educational Trip
7 VSU 9:00 Lecture 4 by VSU
The Marine Ecosystems of the Philippines

12:00 Lunch
13:00 Intercultural Workshop by NCU
Thinking about Sustainable Societies

Evening
Wrap up
8 VSU 9:00 Tour to Science Centrum
Visit the MacAuthur Leyte Landing Memorial National
Park, the Leyte Provincial Government Complex and the
Science Centrum

12:00 Lunch

Afternoon
Preparation of the final presentation
9 VSU 9:00 Preparation of Final Reports with NCU and VSU Tolosa
Officials

12:00 Lunch
13:00 Exit Conference and Culmination Ceremony

Evening
Wrap up
10 VSU Move to Manila
11 Back to Nagoya
VSUでは、フィリピンの歴史と文化、教育制度、海洋環境について教員養成学部および水産学部の教員が講義をしてくださったり、公立学校に訪問したりして、日本との関連性や相違について考える機会を持ちました。参加学生3名とVSUの学生が参加したワークショップでは、さまざまな視点から「大切なものは何か」についてともに考えました。地球環境の持続可能性、また私たちの世界、そして私たち自身のために何か大切であるのかを意見交換し、異なる意見を聴きあうことの重要性を確認しました。最終日には、参加学生3名がツアーを通して何を感じ、考え、学んできたのかを報告しました。日本とは異なる住環境下でツアー当初は不便を感じたこともありましたが、参加した学生は皆、このツアーを通して各々のあり様をふり返り、これからの生き方について考える機会となったようです。以下の感想文から、参加した学生3名の気づきや学びが読み取れます。
2023年度スタディツアー実施にご協力くださいましたみなさま、ありがとうございました。

スタディツアーを通した自己変容 3年 小堀萌衣

今回スタディツアーを通し、新たな発見や様々な人との出会いがあり、人とのつながりを強く感じさせられた10日間であった。今まで海外に行ってみたいと思いながらも日本から出たことがなかった私にとって、世界が広がり価値観が変わる非常に充実した実りの多い経験となった。
特に印象に残っているのは人とのつながりの温かさである。日本では私含め多くの人が常にタイトなスケジュールで動いており、目の前のことをこなすのに必死な無機質な生活である。膨大な見知らぬ人たちの中で複雑な無数の技術に支えられて日々暮らしていると、つながりの中にいるはずの自分が埋もれてしまっているように感じられる。しかし、フィリピンで出会った人たちは、私たち一人ひとりのことを気にかけてくれ、先生も生徒も見知らぬ人でさえもコミュニケーションをとり、一緒にご飯を食べ一緒に笑い、関わり合いの中で生きているという実感が持てた。自分という存在が一人の人間として尊重され、人とのつながりの中にいることを強く感じることができ、見知らぬ場所であるにもかかわらず、安心感、温かさに触れたことで本来の自分らしく過ごせたと思う。育ってきた環境や言語、人種の違いを超え、人と人同士の温かいつながりを感じることができ、関わり合いの中で私および他者が存在するということに改めて気づかされた。
また、人が寛容で時間がゆっくり流れているように感じるところも印象に残った。フットワークが軽く、間違えも快く許すフィリピン人の寛容でおおらかな性格は私にとって新鮮で心地よく、日本では見落とされがちな人間らしさや柔軟性がフィリピンの文化には息づいているように感じられた。日本と違うことは知識としてはわかっていたことではあるが、その違いを実際に感じ、新しい考え方や価値観に触れることができたのは貴重な体験だった。
このツアーを通して感じた人とのつながりの温かさや大切さ、新たな価値観に気づけたことは、私の当たり前を壊し世界を広げてくれる非常に貴重で有意義な経験となり、毎日が新しい発見でワクワクする非常に刺激的な10日間であった。ここで学んだ人とのつながりや新たな価値観を忘れず、日本でもつながりを自覚して生きていけるよう変容し続けていきたいと思う。

持続可能な社会、共に生きる社会について改めて考える機会となったスタディツアー 3年 山口梨沙

ESDスタディツアーにおけるVSUでの講義、学生や教員との交流、現地の学校でのフィールドワークといったさまざまな経験は、教育そのもの、ESD、持続可能な社会とは何か、他者と生きていくとはどういうことなのかを改めて考える機会となった。
これまで、私は、持続可能な社会、共に生きる社会にとって「教育こそがすべての正義」だと考えていた。学校教育の環境を整え、誰もが、適切な教育を受け、正しい知識を持つことができれば、偏見や争いは減少し、自然環境にも配慮した行動をすることができるだろうと。裏を返せば、学校での適切な教育を受けなければ、持続可能な社会、共に生きる社会を作ることはできないという考えがあったと言えよう。
フィリピンは、日本と同様に学歴社会でありながら、就学率?進学率は日本ほど高くない。郊外では、平日の昼頃にも学校に通っていないと思われる学齢期の子どもの姿を何度も目にした。その姿を見て、初めは、「教育環境が整っていないのか、あるいは貧困で学校にいけないのか、かわいそうだな。」と思った。しかし、よく見ていると、自然と共に生き、独自の営みを送っている人の姿があり、彼らはとても生き生きとしていた。フィリピンでは、地域コミュニティを大切にし、自然との共生の中で互いに助け合って生きようとする文化が根付いている。学校教育がなくとも、人々は日々の営みの中で自然と持続可能な社会、共に生きる社会を実現できているようであった。
学歴社会においては、自分で生き方を選択できるようにするためにも学校教育の環境は整えるべきであろう。しかし、貧しい環境にあっても、教育環境が十分ではなくとも彼らは決してかわいそうな人ではない。彼らには彼らの営みがあり、その中で生きている。自らの価値観で彼らの生活を勝手に推し量るのではなく、彼らの生活に寄り添いながら彼らの選択肢を増やすことができるような教育?社会の在り方を目指したいと強く思った。また、ESDは学校教育でしか得られないものではなく、日々の営みの中でも実践可能であることがわかった。今後は、教育を一定の枠に当てはめることなく、広い視野をもって考えていきたい。

人生を変えるスタディツアー  4年 早川実希

 今回のESDスタディツアーは、私にとって初めての海外経験であり、また私の価値観が大きく変わった経験でした。渡航前の私は本当に無知で、フィリピンのことを「暑い、自然が豊か、フルーツがたくさんある、食べ物が甘い」程度しか知りませんでした。しかし、実際に11日間をフィリピンで過ごし、VSUの先生方や学生たちとたくさん関われたことで、私は本当に多くのことを学ぶことができました。
 まず、私がVSUで授業を受けて衝撃的だったことは、先生方や学生たちが教育や環境問題へ対して非常に高い意識を持っていたことです。私は現地の学生たちと自分たちの国の教育や環境問題についてグループワークで話し合ったのですが、1年生や2年生であるにもかかわらずメンバー全員が、フィリピンの現状を理解した上で今後どうすべきかを自分の言葉で話してくれました。このとき私は、自分もこのような人間になりたいと強く思いました。
 現地でのフィールドワークでは、被災地支援やJICAなど日本とフィリピンの関係性を知ることができました。また、仲良くなった現地の学生が日本とフィリピンの歴史や、互いに助け合ったエピソードを教えてくれたこともありました。これを受けて私は、今までの自分が日本のことしか視野に入れていなかったことを痛感しました。そして、これからは自分たちの国、自分たちのコミュニティだけでなく、他の国の人々とも関わり協力することが大切だと思いました。
 私は今年度で大学を卒業しますが、今回のスタディツアーで得た学びや、広い視野を持つことの大切さ、国際協力の重要性は今後の私の生き方を変えるでしょう。学生最後の年にこのような貴重な経験ができたことを本当に幸せに思います。最後に、私の人生を変えるきっかけをくださった曽我准教授と、私たちを温かく迎え入れてくださったVSUの皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。