地域日本語教室インターンシップ 前期報告会を開催
国際文化学科では、毎年、名古屋市国際交流課と連携した学科の科目として地域日本語教室へのインターンシップ派遣を行っています。2024年度は前期に16人の学生を名古屋市内7か所の日本語教室に派遣し、10月から始まる後期日程でも前期から引き続き参加する学生を含め7人を派遣する予定です。
2024年9月24日、前期インターンシップの総括となる報告会が滝子キャンパス2号館で開催され、科目受講生15人と受け入れ先である各日本語教室と名古屋市国際交流課関係者など計26人が参加しました。
全体会
初めに科目担当である山本明代教授の開会あいさつの後、「全体会」として各教室の受講生代表7人が発表。教室ごとの特徴や授業の進め方とそこでの学びや気づきについて報告しました。
【受講生の感想】(抜粋?要約)
- 「教える」と気構えるのではなく「こちらも学習者の母語や文化について教えてもらう」というスタンスや、対等の立場でのコミュニケーションが必要。大事なのはいかに意思疎通できるか。
- ゆっくり話す、簡単な言葉や複数の言葉に言い換えるといった効果的なコミュニケーションスキルを学べた。
- 「やさしい日本語」に言い換えるといっても、どこまで簡単にすべきか、相手の様子をみながら対応するのが難しかった。
- 学習者が答えにつまったとしても、こちらが答えを言うのではなく、学習者の言葉を引き出すことが大切。その言葉が出てくるまで「待つこと」が学習者の信頼を得るのだと感じた。
- 教室で自分の特技を褒められたことで、消極的だった学習者が積極的になったという話を聞き、日本語教室は学習者にとって単に日本語だけを学ぶ場ではなく、内面的にも成長する場なのだと知った。
- 日本語教室は、学習者同士、ボランティア?スタッフとの交流も多い。家庭?学校?職場とは異なる日常生活でも頼れる「もう一つの居場所」として機能しているのだと感じた。など
ワークショップ
意見交換
またワークショップと並行して、山本教授と地域日本語教室の方々、名古屋市国際交流課加藤課長補佐、地域コーディネーター米勢先生が、実習先での学生の様子、今後の課題、改善点などについて意見交換する場も持たれました。
各教室の担当者からは、「日本語教室ボランティアは高齢者も多く、若い学習者とは使う日本語や生活環境が異なるため、感情を共有できないこともある。インターンシップ生がそのギャップを埋めてくれることや、若い学習者の気持ちを理解して接してくれることはありがたい」「日本語教室ボランティアの実情を知ってもらう良い機会になったのではないか」「学生の存在自体が異文化。教室に来てもらうことで雰囲気が変わり、学習者との会話もはずんだ。これからもまた来てほしい」と肯定的にインターンシップの継続を期待する声がある一方、「過去には突然休む学生や必要な単位を取ったからと教室に来なくなった学生もいた」「教えるスキルも大切だが、教室運営にもっと携わって苦労も含めて経験してくれると得るものも違うのでは」といった声も聞かれました。
各教室担当者から話を聞く山本教授(中央)
まとめ
最後に、山本教授は学生に対して「これから海外に行った際など、逆の立場で今回の経験を思い出してほしい。今回のインターンシップで終わるのではなく、これからも地域日本語教室や多文化共生について関心を持ち続けてください」と述べ、報告会を締めくくりました。