海外フィールドワーク報告2023:インド
人文社会学部国際文化学科の展開科目「海外フィールドワークA(インド)」では、2023年8月20日から9月1日までの13日間、インド共和国カルナータカ州において現地調査を行いました。
インドに居住する亡命チベット人居住地訪問での調査が主たる目的でしたが、それに加え、
インドに居住する亡命チベット人居住地訪問での調査が主たる目的でしたが、それに加え、
- 在バンガロール日本総領事館への表敬訪問(在外公館の業務、日系企業のインド進出に関してブリーフィングを受ける)
- チベット亡命政府の定住地で開催されていた地方議会(Local Assembly)へのオブザーバー参加
- インドのカルナータカ州政府の州議会議事堂の見学と与党内院内幹事長(The Government of Chief Whip, Karnataka Legislative Council)との意見交換
なお、本研修は中央チベット行政府(いわゆるチベット亡命政府)のウェブサイトに掲載されました。
[記事タイトルの日本語訳は、本科目担当教員である榎木美樹准教授による]
■「教育?文化交流として日本の学生が南インドのチベット人居住地と僧院を訪問」
Students from Japan Visit Tibetan Settlement and Monasteries in South India as Part of Education and Cultural Exchange
[記事タイトルの日本語訳は、本科目担当教員である榎木美樹准教授による]
■「教育?文化交流として日本の学生が南インドのチベット人居住地と僧院を訪問」
Students from Japan Visit Tibetan Settlement and Monasteries in South India as Part of Education and Cultural Exchange
報告書が完成しました(2024年1月)
報告書の全文はこちらからダウンロードできます。
帰国直後の参加学生の感想(10月)
【報告者】人文社会学部 国際文化学科2年 豊田朱理さん
現地では、小中学校、高等教育施設、政府機関、寺院、病院などさまざまなところを訪問しましたが、特に興味を持ったのはチベット医学を推進している施設です。
現在、日本を含めて多くの国では体を部分に切り分けてとらえる西洋医学が主流になっており、体の不調を体全体を通してとらえる東洋医学はほとんどなくなっています。その中でチベット医学は、今でも多くのチベット人たちが生活の中に取り入れている、数少ない東洋医学の一つです。
この施設では、チベットの地で採取できるハーブを混ぜて作られた薬草や、症状に合わせた治療の仕方がまとめられた掛軸、生年月日や星座での占いによる治療などを見学しました。医学一つとっても私が知っている西洋医学だけではなく、東洋で発展してきたさまざまな方法があるのだなと非常に驚きました。
現在、日本を含めて多くの国では体を部分に切り分けてとらえる西洋医学が主流になっており、体の不調を体全体を通してとらえる東洋医学はほとんどなくなっています。その中でチベット医学は、今でも多くのチベット人たちが生活の中に取り入れている、数少ない東洋医学の一つです。
この施設では、チベットの地で採取できるハーブを混ぜて作られた薬草や、症状に合わせた治療の仕方がまとめられた掛軸、生年月日や星座での占いによる治療などを見学しました。医学一つとっても私が知っている西洋医学だけではなく、東洋で発展してきたさまざまな方法があるのだなと非常に驚きました。
【報告者】人文社会学部 国際文化学科2年 水間玲衣さん
今回のインド研修において最も心に残っているのは、あるチベット難民の青年の言葉です。彼はとても明るく、ユーモアにあふれていて、異国の地で緊張していた私たちをいつも安心させてくれました。
ある時、私たちが英語でのコミュニケーションに自信を無くして落ち込んでいた時、彼は言いました。「僕は小さい時に親と離れ離れになって、それ以来20年も会えていない。落ち込んだときは僕のことを思い出して。君たちは恵まれている」。難民という立場の人から励まされたということに複雑な気持ちになるとともに、自分たちと彼らとの間にはどうしようもない不平等が横たわっているのだという、現実の厳しさを思い知らされました。
その日以降、私たちは間違えることを恐れずに訪問する先々で知りたいことをどんどん質問し、チベットの文化や歴史について深く学ぶことができました。
インド研修を終えた今も、彼の言葉は「一瞬一瞬を大切に生きよう」という、前向きな気持ちをもたらしてくれます。
ある時、私たちが英語でのコミュニケーションに自信を無くして落ち込んでいた時、彼は言いました。「僕は小さい時に親と離れ離れになって、それ以来20年も会えていない。落ち込んだときは僕のことを思い出して。君たちは恵まれている」。難民という立場の人から励まされたということに複雑な気持ちになるとともに、自分たちと彼らとの間にはどうしようもない不平等が横たわっているのだという、現実の厳しさを思い知らされました。
その日以降、私たちは間違えることを恐れずに訪問する先々で知りたいことをどんどん質問し、チベットの文化や歴史について深く学ぶことができました。
インド研修を終えた今も、彼の言葉は「一瞬一瞬を大切に生きよう」という、前向きな気持ちをもたらしてくれます。